え?旅行でクラブラン?
そうですね、何かおかしいと思われるのも仕方ありませんが、クラブランです。
あくまでも自転車旅行、のんびりとあちこち走り回るのが目的ですが、宿の主人が夫にタンデムを見せてしまったことから、コトは始まりました。彼にとっては未知のタンデムを経験できるこの上ないチャンスです。そわそわして落ち着かなくなってしまっているのを見ては、「行ってらっしゃい」と言うしかありませんね(笑)。
私自身はタンデム未経験者ですが、そのスピードは憧れるのも無理はないと思います。特に、力の同じ位の人と乗るのが理想なので、彼らはまさに理想そのもの。楽しんでらっしゃい、と地元のクラブランに送り出して、8:15、私はソロ・ツーリングです。
時間はたっぷりあります。しかし、自分でもウンザリするくらいの方向音痴の私です、安全パイをとのことで選んだのは、「真っ直ぐ北上して帰ってくる」という安全すぎるくらいのルート(笑)。Chavagnes、Notre-Dame-D'Allenconを通りぬけ、Brissac-Quinceへ。ここまで約15km。快調です。あたりまえです、一本道(笑)。
しかしここで折り返すにはもの足りなく、時間をつぶすには早すぎて(まだ9:00)、しばし途方に暮れましたが、「迷ったと思ったらそく引き返す」という条件を自分につけて、風車が指し示す方向、東に向かって走りはじめました。始めはおそるおそる走っていましたが、D123でChemellier、D161でGrezilleまで難なく着いてしまうと、方向音痴って治癒するのね、と自信万々。
これが落とし穴でした。
方向音痴は不治の病でした。
GrezilleからSaulge-L'Hopitalまでは約5km、D176で南南西への「一本道」でした。それがなぜか、30分後には真西の町、Les Alleudsに近付いていたのです。D176だと信じていた道は、今はD90となっています。何故?
もう何がどうなってしまったのかわかりません。深みにはまるのを恐れて、引き返すこともできません。
仕方なくD761、クルマのびゅんびゅん通る主要道路を3kmも走ってSaulge-L'Hopitalにたどり着き、もうこの時点で泣きそうになっていたのですが(笑)、早朝、Brissac-Quinceに着く少し前に挨拶を交わした、これまたソロ女性サイクリストと再会、サカナのように辺りをぐーるぐる回っている者同士は言葉が違っても意志は疎通するもので、渡りに船、溺れる者は藁をも掴みたいワタシは彼女に話し掛けました。
さあ、フランス語会話の実践です(笑)。
ふふふ、道を尋ねる会話は真っ先にマスターしたもんね。
「○○はどこですか?」
「?」
「○○はどこ・・・?」
Martigne-Briand には「R」がふたつもありました。英語でもスペイン語でも散々悩まされた「R」がここでも私の前に立ちはだかっています。ちなみにレストラン(restaurant)にも「R」はふたつ、しかもアタマにあるときてはもうお手上げです。最も重要な単語なのに!
結局ポケットから汗でしっとりとした地図を取り出し、指差すコトに。
「あー、Martigne-Briand ね!ここ真っ直ぐよ。サインがあるからそしたら右に曲がって、さらに直進よ♪」
心優しき彼女のおかげで11:45、無事に戻ることができました。
写真はBrissac-Quinceから風車を見た後の交差点にて。皮肉にも、Les Alleuds方面のサインが。敢えて避けた町に、結局行ってしまうという、典型的な迷子になるパターンでした(笑)。
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