コットンウッドのデニーズで、朝食、グリッツ初体験です。コーンミールのポリッジといった感じので、上品とも美味しいとも言い難いものですが、何故か癖になるザラザラ感。これ以降、メニューにあれば必ずサイドオーダーで登場したグリッツでした。
この日はグランド・キャニオンに向かいました。北東のこざっぱりとした町Sedonaを抜け、フラッグスタッフでインターステイト40を西へ、ウィリアムスで補給と軽食。ここから、ステートハイウェイ64で、グランドキャニオンまでの約50マイルの一本道を走ります。標高は約7000フィート(2100m)、富士山の5.5合目辺り、と考えると高さの検討はつきますが、目の前に広がるのは、ひたすら平らで真っ直ぐな道が続いているだけで、インターネットやガイドブックで予習をしたにもかかわらず、その広大さは予想を遥かに超えたものでした。蜃気楼が青い空を映して、真っ直ぐな道はまるで空に向かって溶けてしまっているかのようです。
キャニオン村、サウスリムに着き、パーミット申請事務所を訪れたのは13:00でした。4時間もあればキャニオンの底まで歩けると高を括っていたうえ、付く頃には気温も下がって好都合だと思っていたので、職員の女性に「4-6時間はかかるから、夕暮れまでに底のキャンプサイトには辿り着けないと思う、今日のパーミットは出せない」と言われ、仕方なくサウスリムのマザーキャンプグラウンドでキャンプをすることになりました。
キャンプ場で手続きを済ませ、テントを張って、15:55、グランド・キャニオンに対面しました。
「広大無辺」「壮大」という単語をいくつ使っても全く物足りない、無限にも思えるキャニオンが目の前一杯に広がっています。アメリカでこれを、これだけを私に見せたくて連れてきてくれた夫に、愛情溢れてやみません。
フェンスなどなく、アクセス可能な崖っぷちは何かあっても自らの責任ですからね、と見事なまでの潔さは、明日自らの足で底まで歩く私にとって気持ちのよいルールに思えました。
夕食は手作りブリトーでした。なんとも便利なサルサ・サラダパックをスーパーで見つけ、トルティアで包んだ簡単ご飯です。アメリカだからバドワイザーだよね、と冷たいビールも味わえる幸せなひととき。夕陽が落ちると涼しくなってきて、癖になった焚き火は素晴らしいエンターテインメントです。贅沢な、炎です。
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