くっきり、しっかり5:00起床。鳥たちの声で目覚める朝は清々しく、アラームで叩き起こされる強制的な目覚めとは大違いです。テントを畳み、少し走ってIHOPでの朝食は、初めてのパンケーキで、メープルシロップとバターミルクのとろけるコンビネーションにうっとりしましたが、ここもまたまたチェーン店。何が言いたいかというと…。英国の飯はまずいと、アメリカ人には言われたくない(眼糞鼻糞)。
スターリング・パウンドの強さを盾に、普段なら避けて通るショッピングも楽しみの一つだったのが今回の旅でした。テント、キャンピング・ストーヴ、トラヴェル・フライロッド、リーヴァイス、80GのiPod…。各地でいくつかのスポーツ店の名前を聞き、TucsonにあるSummit HutとBig 5を覘いてみましたが、ウォル・マートに毛が生えた程度で、目当ての品質のものは見当たらず、店員に似たような店は無いかと尋ねて教えてもらったのが「Sportsman’s Warehouse」。ハンティング、フィッシング、キャンピングの専門店で、その規模の大きさ、品揃えはともかく、店員さんの応対が素敵なのが印象的な、すっかり病み付きになってしまったお店です。女性用の本格的ハンティングアウトフィットのすぐ隣には、同じ迷彩柄のドレスがあったり、これまたおそろいの子供服まであったり、実用重視だけでなく遊び心満点な所が、単純明快な私の心を捉えて離しません。私で型どりしてあつらえた様にしっくり来たハンティング迷彩パンツ($50)、夫はコールマンのストーヴ($35)を購入。
お店の外では、バーゲン品が山と詰まれ、5mm小さくて泣く泣く諦めたハーレー・デヴィッドソンの皮ブーツ$20(!!)ティンバーランドのサンダル$15(!)、その脇では陽気なお兄さんが無料のホットドックまで振舞ってくれたりして、Sportsman’s Warehouse万歳。
興奮の冷めぬまま、後ろ髪を引かれながら店を後にし、Bensonのダイナーで、ハンバーガー、ブルーベリーパイとコーヒーの昼食。マリリン、ハーレー、ジェームス・ディーンやベティ・ブープで一杯の正統派ダイナーで、極めつけには給仕のマダムが肝っ玉母さんの様相。地元民で賑わう値段も手ごろな、アメリカ版家庭の味、といったところで、雰囲気も良く楽しめましたが、軽食のみできちんとした料理を味わえなかったのは残念でした。
インターステイト10を東に、U.S.ハイウェイ191を北上して、ローパーレイク・ステートパークが今夜のキャンプサイト($12)。ステートパークにはキャンプサイトが併設されているところもあって、設備はトイレだけという所もありましたが、ここにはシャワーもあって、快適そのものでした。池のほとりにテントを張って、Saffordのメキシカン・レストランで初のフライブレッド体験。自分メモを兼ねているので書いていますが、食事に関してはジツは本当に書きたくないのです。書きたくないどころか、思い出したくもなかったりして…。
さてキャンプサイトですが、基本設備は椅子付きテーブル、キャンプファイヤー用の、場所によって地べたをリングで囲ったものや、腰くらいの高さで、どちらもバーベキューができるようにグリルが付いているものどちらかと、車を停めるスペース、日陰を作るための木が植えられているか屋根があります。今夜のサイトは地べた式で、夕暮れになるとあちこちにオレンジ色の炎が揺らめきだしました。陽が完全に落ちてしまうと、明かりはこの風になびく炎だけで、妖しくも美しい夜を演出します。
虫の声に混ざって聞こえてくるのは、蛙の鳴き声。低音で控えめに、等間隔で響くその声は、不思議な催眠効果があるようで、知らずの内に平安な眠りについていました。時々眼を覚ますと、漆黒の空に散らばっている星たちが見え、空気がきれいなこと、雲がないこと、そして周りがライト等で明るくないことが星が見える条件なんだなぁ、とおぼろげに思いながら、再び眠りの底に堕ちていくのでした。
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