素直に「好意」を表現するって、難しいことなのでしょうか。
私は既婚者ですが、たくさんの「好き」な人達がいます。恋愛感情ではありませんが、この「好き」が伝わって、相手も同じように「好き」を返してくれるとやはり嬉しいものです。
学業に専念する為に寮暮らしに入ったため、暫く顔をあわせていなかった、フィルという若者に先日ばったり会いました。苦労を分かち合った、といったら大げさになりますが、限界に挑戦した幾つかのクラブランでの友人だけあって、普通なら見せたくないような限界を超えた表情をお互いに知っているだけに、飾る必要のない相手です。若者と話すのは苦手なのですが、彼の真っ直ぐに育ったと思われる育ちのよさは好感度大。彼の父親ともクラブメイトということで、気軽に話せる相手です。
年齢差などを気にかけるのは「私」の悪い癖ですが、大きく年の離れたこの若者から真っ直ぐな好意を示されると、戸惑いは隠せません。馬鹿げた「大人ぶる」態度をしなくちゃ、などとの考えがよぎるだけでも恥ずかしいですね(笑)。年齢が、上下関係を作らない社会ゆえに、高みから見下ろすわけでも、見上げるわけでもない、同じ位置に立って交わす会話というのは、非常に心地よいものです。
知り合ってからもう何年もたつのに、実際に顔を合わせて話したのは数回、という「好きな人」もいます。初めて会った時から、気が合うというか、ぴったりはまる、という感じで、出会って二度目には憎たらしい悪態を付かれたり付き返したり、やはり傍にいても心地よい御仁です。夫を通しての挨拶しかしませんし、会う機会もあまりありませんが、彼とも「好き」を交換できる相手です。
年齢差というところでは、「年上」の好きな人も沢山います。70歳を越えても自転車のトレーニングは欠かさない、それこそ、人生の酸いも甘いも乗り越えてきた、元気一杯の御父さん達。彼らからしたら「お嬢ちゃん」の私をそれはもう可愛がってくれます。彼らの「好き」の質はどちらかというと孫、娘、といった親族的なもので、そういう意味では家族を遠く離れている私には有難い好意といえます。
さて、こういった「純粋な」好意のほかに、勿論「不純な」好意もあります。幸か不幸か(笑)、この手の好意を向けられて困惑することはありませんが、日食が起こるくらいの頻度で私にも時々やってきます。
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